島根の公立高校、大社高校の快進撃
今年の夏の甲子園は、大社高校の大健闘に日本中がゆれた。
1回戦で今春のセンバツ準優勝校の報徳学園を破り、創成館(長崎)との2回戦、早実(西東京)との3回戦はともにタイブレークの延長戦を制した。劇的な勝ち上がりを見せ、神村学園戦では4強入りを目指したが、あと一歩及ばなかった。
報徳と言えば部員100名を越え、優勝候補の最右翼。早実は優勝経験もある東京の名門強豪校。創成館は県外選手を多く集めた新進気鋭校。これを破っての勝ちは決してフロックとは言えない。
ノーシードから勝ちあがった地方の代表校でましてや公立高校が甲子園でガンガン打って強豪校に勝つなんてことは難しい。まず、先取点を取り、投手を中心とした守りでロースコアに持ち込み、相手の焦りを誘って接戦を制す。これが格上チームに勝つ戦術だ。
これぞ高校野球。まさにそれを貫いたのが大社高校だった。
この範を示したのが大社高校でった。
1戦ずつ勢いに乗り、実力と自信も積み重なった感じ。高校生は少しのきっかけで大きく伸びる。
チームの結果とともに、アルプス席を埋めた応援団「応援団の熱狂的かつ紳士的な振る舞いはまた称賛された。
それが「神々の国からやって来た少年たちの快進撃は、100年の甲子園でまだ続きます」という名実況も生み出した。
今夏の大社フィーバーは全国を巻き込み、大きな盛り上がりを見せた。あの甲子園が、季節外れの「神無月」ではなく「神在月(かみありづき)」を迎えていたかのようだった。