2024年08月26日

島根の公立高校、大社高校の快進撃

今年の夏の甲子園は、大社高校の大健闘に日本中がゆれた。

1回戦で今春のセンバツ準優勝校の報徳学園を破り、創成館(長崎)との2回戦、早実(西東京)との3回戦はともにタイブレークの延長戦を制した。劇的な勝ち上がりを見せ、神村学園戦では4強入りを目指したが、あと一歩及ばなかった。


報徳と言えば部員100名を越え、優勝候補の最右翼。早実は優勝経験もある東京の名門強豪校。創成館は県外選手を多く集めた新進気鋭校。これを破っての勝ちは決してフロックとは言えない。

ノーシードから勝ちあがった地方の代表校でましてや公立高校が甲子園でガンガン打って強豪校に勝つなんてことは難しい。まず、先取点を取り、投手を中心とした守りでロースコアに持ち込み、相手の焦りを誘って接戦を制す。これが格上チームに勝つ戦術だ。
これぞ高校野球。まさにそれを貫いたのが大社高校だった。
この範を示したのが大社高校でった。

1戦ずつ勢いに乗り、実力と自信も積み重なった感じ。高校生は少しのきっかけで大きく伸びる。
 

チームの結果とともに、アルプス席を埋めた応援団「応援団の熱狂的かつ紳士的な振る舞いはまた称賛された。
それが「神々の国からやって来た少年たちの快進撃は、100年の甲子園でまだ続きます」という名実況も生み出した。
 


今夏の大社フィーバーは全国を巻き込み、大きな盛り上がりを見せた。あの甲子園が、季節外れの「神無月」ではなく「神在月(かみありづき)」を迎えていたかのようだった。

2024年08月08日

最強の銅メダリスト須崎優衣選手

パリオリンピックのレスリングで、女子50キロ級で須崎優衣選手が3位決定戦で10-0と圧勝し「銅メダル」を獲得した。

須崎選手には東京に続く五輪連覇を逃したためか笑顔はなく、胸の前で両手を合わせ、何度も観客席に頭を下げる姿が印象的だった。


本大会で一回戦で終了間際インド選手にまさかの敗戦。そのインド選手は決勝に進んだものの、計量で体重が100グラムオーバ−で失格になり、敗者復活戦が3位決定戦に繰り上がるというまさかの展開に。敗戦の翌日に絶望の淵から立ち直った須崎選手が、見事銅メダルをつかんだ。


一方、金メダル候補の須崎選手を破る大金星を挙げ、決勝進出まで果たしたインドのビネシュ選手は、必死の減量にもかかわらず制限体重をクリアできず、わずか100グラムのオーバ−に責任を取って、「私の勇気はすべて折れました、私には今これ以上の力はありません」「さよならレスリング。2001-2024」と引退を示唆した。


これに対し、インドのモデイ首相は、計量失格の痛みの共有を示して、「ビネシュ、あなたはチャンピオンの中のチャンピオンだ。インドの誇りであり、個々の、すべてのインド人を鼓舞してくれる」と激励の言葉を贈った。


また、私はあなたが立ち直る力を持つことも知っています。常に困難に立ち向かうのがあなたの性格です」と励まし。「強くなって戻ってきて!みんなで応援しています」と呼びかけた。


ビネシュ選手に
頑張れ!
負けるな!
そして、いつかまたリングに 戻ってきて!と心からのエールを送りたい。

2024年07月31日

阿部詩選手敗れる

パリ五輪柔道女子52キロ級で2回戦敗退した阿部詩選手。畳を降りても会場に響き渡るほど泣き叫ぶ姿が痛々しかった。私は阿部詩選手の大ファンだが、あの姿を見たくなかったし、見せてほしくはなかった。

阿部詩選手には五輪二連覇の期待がかかり、相当なプレッシャーもあっただろうし、かなり激しく、苦しい練習に打ち込んできたことだろう。


でも、柔道は、日本発祥のスポーツであり、唯一のオリンピック種目だ。男女の違いはあるにせよ、これに打ち込む選手を私たちは「柔道家」と呼ぶ。他にそんなスポーツは他にあるだろうか。


勝負だから勝ち負けはもちろんある。負けた悔しさもわかる。でも勝っても負けても「礼節を重んじ」て取り乱さないというか、毅然とした冷静な態度をとってほしかった。それが勝者に対するリスペクトにもなる。

負けて泣くこともあるだろう。でも観衆の前でのあの大泣きはいかがなものか。人を感動させる涙もあれば、人をひかせる涙もある。


優勝した兄の一二三選手は、決勝戦が終わった後、正座をして試合場に深々と頭を下げた。これこそ「柔道家」の姿ではないだろうか。

武士道に打ち込むを武士の姿を見たような気がした。


これだから日本の柔道は『世界の柔道』になったのだ。


阿部詩選手には負けて更に強い人間として大きく成長してほしい。

2024年07月05日

座右の銘

座右の銘は、いつも自分の傍において、自分を鼓舞したり、戒めるため、日ごろから心に留めている言葉を指します。


「座右」は「身近なところ」を意味し、「銘」は「石や鉱物などに刻み付けた文字」という意味があるようです。
子どもたちはこの座右の銘を持っているのだろうか。
 
私は高校時代、先生から言われた言葉がある。

  努力して、後悔をした人を見たことがない。
  練習して、下手になる人もいない。
  勉強してバカになる人もいない。
  何かをして変わった人もいても、
  何にもしないで変わった人はいない。
 

懸命に生き、努力せよ。道は開かれる。この言葉を心に刻み、励んで青春の道を切り開いて 
 欲しいものだ。
  

2024年04月22日

「見えぬ努力」と「見えない努力」

見える努力は「人がいないとサボる」
見えない努力は「人がいなくても努力する」

見える努力は「ほめられたら伸びる」
見えない努力は「ほめられなくても伸びる」

見える努力は「他人の評価を意識する」
見えない努力は「自分の結果を意識する」

見える努力は「評価されやすい」
見えない努力は「評価されるまで時間がかかる」
         
努力とは、目標を達成するため、、休んだり怠けたりすることなく、つとめ励むこと。しかし、努力の度合いは人によって異なり、中には「ここまでやったらいいだろう」と自分に甘えている人もいます。


だから、自分の努力は全力でやり切れているのか確認をして、足りないようなら最大限の力でやり切ることです。


そうすれば自学力(自分で学ぶ力)は磨かれ、たとえ報われなくてもそれはやり方が違っているのか・方向性が違っているのか自問することになり、次につながる「意義ある失敗」となるのです。

「意義ある失敗」をしよう!!

2023年11月27日

大谷二刀流MVP

大谷翔平選手が二度目のMVPに輝いた。

でも、この一年の活躍は、特別なことをしているつもりはない。自分がやりたいことを続けるために、睡眠を長く取り、節制してコンディションを整え、できることの全てをつぎ込んで試合に臨むのは当たり前のこと。それを続けてきた先にあったのがMVPという結果であり、これもまた一つの通過点にすぎない。と言う。


また、「投打の二つをやることは誰もやったことがないことを選んだのではなく、やれることをやるうちに結果的にそうなっている。やらなければならないことが多くなる分、伸びたり、できるようになることが増えたりするのはすごく楽しい」ということだ。

 何か将棋の藤井聡太7冠を思わせるものがある。両者に共通することは「今までは『無理だよ』と言われていたようなことも、『無理だと思われることをもうやり遂げた人間がいるんだ』と理解されるようになってきたから不思議だ。

右肘手術の影響で来季は打者に専念する予定。「今までよりも強くなって戻ってこられるように、ベストを尽くしたい」。11月には、野球の楽しさを「おすそ分け」するかのように、全国の小学校にグラブを送る企画も明らかにした。

大谷選手がさまざまな形でまいてきた「可能性の種」。いつかどこかで色とりどりの花を咲かせる日が、きっと来ると思う。

2023年11月06日

「今を生きる」

 「而今」ある書物から目にした言葉です。
   ふつうは「じこん」と読みます。
 而今はもともと禅語であり、曹洞宗の開祖 道元の唱えた言葉だと言われています。
 「今という瞬間に成すべき事をなす。」
 「過去にも囚われず未来にも 囚われず、今をただ精一杯生きる」
 という意味があります。

 時は刻々とすぎていきます。
 今という時間がとどまることはありません。
 だからこそ、その一瞬一瞬を大切に生きていく。
 それが「而今」のもつ意味です。

 「今を生きる」
 
 この積み重ねこそが、充実した人生につながるのはないでしょうか。

 
 道元の「たった今だ!今しかない!他に時はないぞ」という声が耳朶に響きます。

2023年10月12日

99%の負け予想からの大逆転勝利

藤井聡太7冠は、永瀬拓矢王座に挑戦し、シリーズ対戦成績を2勝1敗とし第4局を迎えた。この勝負終盤の大逆転劇で勝利し、王座を奪取し全8冠制覇を成し遂げた。

 対戦相手の永瀬拓矢王座九段は、藤井7冠の唯一の練習パートナーで、月に3回ほど盤を挟んでいるという。また若手強豪らとほとんど休みなく研究会をこなし、対局前も練習将棋を指す努力の塊の人だ。 
藤井対策を十分練り上げ防衛戦に臨み、その巧妙な指し回しに藤井7冠は苦しんだ。それでも、ずばぬけた読みで初めて見る局面にも対応し、最後のタイトルを奪取した。
 
 AIは一時永瀬99%勝利と予測したが、永瀬王座の次の一手で藤井7冠が99%勝利と逆転予想し、結果はその通りとなった。
 これは一手60秒以内という切羽詰まった状況にあったにせよ、永瀬元王座の「あの一手が」という無念の声が聞こえそうであった。
 勝負は下駄をはくまでわからないとはこのことか。
 

 彼はAIの申し子と言われている。AIで効率よく勉強したことにより、悪い手をほとんど指さない。以前のように数々の経験を積み、駆け引きや相手の弱みを突くような戦い方では勝てなくなった。棋風は旧来の特別な作戦駆け引きよりも、速くベストな差し手を探すといういたってシンプルだ。彼のこの強さは詰将棋で培われた指すべき手を速く正確に見つける突出した読みの力にある。
 

 それにしても永瀬拓矢元王座の将棋に向かう姿勢に心打たれるものがあった。年が一回りも離れている藤井さん自ら志願して互いの力を磨きあっているという。

「負けました」悔しさがにじみ出た一言が印象的だった。私は藤井聡太8冠の座を奪う一番手が永瀬拓矢元王座だと思う。負けてあっぱれとは彼のことだ。


 五冠を達成した時、藤井さんは、棋士としての現在地を富士登山に例えて

「森林限界の手前というか、まだまだ上の方には行けていない」と表現した。
 森林が途絶える五合目辺りとした自己評価は、今も変わらない。


升田幸三元名人は藤井さんのことを「たどり来て、いまだ山麓」といった。

天賦の才を持ち、偉大な先人の謙虚な精神も受け継ぐ若き王者は、この先どこまで高く登っていくのだろうか。


2023年09月29日

教え子との出会い

子どもたちの教えに関わって40年余り、この間多くの教え子との出会いがあった。その中でも最近特に感動的な出会いがあった。
 私が蜂窩織炎(ほうかしきえん)という耳にしたことがないような病気に罹り、両足や右手に激痛が走り救急搬送された。


 この時、私の看病に関わった看護師に教え子が2人もいた。は「ひよっとして細井先生ですか」から始まり、昔の話を含め会話は弾んだ。「この人私の先生だったの」同室の病人や同僚の看護師にも伝えたことにより、沈んでいた病室の雰囲気も一気に盛り上がった。その教え子は明るく元気で私は「君は素晴らしい天職に就けたね」と言ったら、嬉しそうにはにかんでいた笑顔が印象的だった。
 

ある中華料理店に入っても、「先生お久しぶりです」と声を掛けをしてくれ、また、スポーツジムでもインストラクターとして生き生きとして働いている教え子もいた。「先生、今日先生と生徒は逆転やね」と笑いながら指導してくれる姿にうれしいものがあった。
 そういえば、駅の反対側のホームにいたにもかかわらず、私の姿を見つけると大きな声で「先生」と言って手を振り、私もそれに応えたこともある。


これだけではなく、教え子との出会いは枚挙にいとまがない。今、私の塾にも教え子の子供たちがたくさん来てくれている。


こうして人生を振り返った時、人生は何だったんだろう。何のために生きてきたんだろう。考えることしきりである。しかし、一つ言えることは自分に適したいい職業に就けてよかったということだ。


よく生徒に「何のために勉強するんですか?」と聞かれることがある。その時私は「勉強すればするほど、自分が何の職に就くのが適しているか。自分は何になりたいのかがわかるようになる。人生はそれを見つける旅だよ。」とこたえるようにしている。
 
 今、この年になって天職に巡り合えた自分の生きざまに誇りを持ちたいと思っている。

2022年12月14日

みんなを突き動かせる言葉 

W杯のドイツ戦を前に、日本代表の主将吉田麻也選手は、ロッカールームで叫んだ。

「ドイツは俺らに負けるなんて、1ミリも思ってないぞ。歴史変えてきたやつは、絶対勇気持って、前進したやつだけだからな。今日、俺たちが歴史を変えよう」

彼は、歴史を変えるって、どういう人がやってきたんだっけ。坂本龍馬とか考えて。いろいろ考えた時に、やっぱり勇気を持って、何かにチャレンジした人なんじゃないかなって。この言葉を発したということだ。
歴史的勝利とともに、記憶に残る吉田選手のの名スピーチだった。


この大会では、日本代表、オーストラリア代表、韓国がグループステージを突破。特に日本はスペイン代表、ドイツ代表と強敵が同居した組で首位通過を果たすなど、大きなサプライズを巻き起こした。
これは日本チームのほとんどの選手は、ヨーロッパのクラブチームに所属しており、伝統的な強豪チームに対しても、それほど恐れることはなくなったことに他ならない。毎日、一流選手と練習し、毎週、試合をしているため、アジア人選手は自信を持ち、能力を発揮できるようになった。あのブンデスリーグでキャプテン務めるようにもなった。これは技術的なこと以外に人間性も考慮されたものだろう。


また、日本チームを率いた森安監督は「最高の負け方をした」。
PKで敗戦が決まったあと、スタンドにいるサポーターに深々と頭を下げる姿勢は侍を思わせ印象的だった。
彼が言う新しい景色(ベスト8進出)はならなかったが、それ以上に私たちの網膜に強烈に焼きついた活躍ぶりだった。


それにしてもサポーターが負けたクロアチア戦の後でも、スタンドの掃除をする姿。選手たちがロッカールームを使用した後、まるで使用する前のようにきれいに掃除し、感謝の気持ちをこめ、折鶴を添える。なんと日本人として誇らしいことか。
4年後は優勝目指し、「化け物になって」ナショナルチームに戻ってこい。健闘した選手はじめスタッフにそう伝えたい。

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