底力をみせろ!!
『底力を見せろ!』これは、ある中3生徒にあてた年賀状に、私が加えた一筆だった。
この生徒、いつもねむそうで、どうしてもやる気が出ない。すべてが面倒なのだ。塾の授業に遅れること数限りなし。学校での副教科の提出物はいい加減。だから2学期の通知簿には「1」をつけられていた。つまり内申点も5段階で「1」となる。
評定のしかたが絶対評価になった今、「1」という数字はあまり見たことがない。つまり、彼は見たこともないような「1」をとったわけだ。内申点としては絶望的である。
なぜなら兵庫県の公立高校入試では、内申点が5・入試の点数5の割合で、合否が決まる。内申点のうちとりわけ副教科は入試科目にないため、重く評価されるからだ。ちなみに内申点250点満点とすると、主教科(英数理国社)は、点数×4倍であるのに対し、副教科は点数×7.5倍である。
この生徒、公立高校の合格を勝ち取るためには、相当な点数をとらなければならない。内申点が暫定的に決まっている今、最後のチャンスが、冬休み明けの「実力テスト」だった。
2学期の期末試験では、学年順位が5教科で247番。これは底の底と言っていいだろう。それがどうしたことか、1月の実力テストでは、129番と躍進した。以下は点数と、学年順位を比較したものである。
国語72点(127位)→82点(33位) 社会53点(135位)→70点(113位)
数学26点(243位)→34点(194位) 理科67点(134位)→67点(123位) 英語21点(258位)→55点(128位)
はっきり言ってこれは奇跡に近い。
しかし、「人間、やればできるんだ!」を証してくれたものである。また、エクシードメソッドが結実したものでもある。
エクシードメソッドの一つに、「得意科目をどんどん伸ばせ」がある。そうすれば、相乗作用で他の科目も引っ張られる。彼は得意な国語を自分の大きな武器にすることによって大躍進を遂げた。わたしたちにとってこんな嬉しいことはない。これこそ、個別指導の極意である。
私の年賀状の一筆、『底力からを見せろ!』の喝がきいたのだろうか。「よくがんばったな」という私の言葉に、細い目をよりいっそう細くして、賞品の図書券を受け取る笑顔が印象的だった。
「自分の力で、自分の未来を切り拓け!!」私たちは、君たちの最強のサポーターだ。