私の座右の銘
「人間万事塞翁が馬」これが私の座右の銘。
予期もしなかった仲間の裏切りにあって絶体絶命の危機に陥ったと思ったのだが、これがきっかけとなって以前より事態が好転して驚いた。苦しい日々だったが楽しかった。
この時に、私を支えてくれた歌がある。
その船を漕いで行け お前の手で漕いで行け
おまえが消えて喜ぶ者に お前のオールをまかせるな
その船はいまどこに フラフラと浮かんでいるのか
その船はいまどこに ボロボロで進んでいるのか
流されまいと逆らいながら
船は挑み 船は痛み
全ての水夫が恐れをなして逃げ去っても
その船を漕いで行け お前の手で漕いで行け
おまえが消えて喜ぶ者に お前のオールをまかせるな
TOKIOの「宙船」(そらふね)
これをよくうたい、沈んでいきそうな自分を叱咤激励した。「おまえが消えて喜ぶ者に お前のオールをまかせるな」のフレーズは特に力を込めてうたった。いまでもこの歌はよくうたう。「宙船」は私の人生の応援歌でもある。
「宙船」(そらふね)は中島みゆきの作詞・作曲。思えば、中島みゆきにはよく教えられ、救われた。学生時代には「時代」を聞いて生きる力を奮い立たせ、「世情」を聞いては友と夜を徹して学生運動を熱く語った。彼女のしぼりだすような独特な声と迫りくる言葉の響きに圧倒されたものだった。
人間の幸福と不幸は表裏一体。不幸な出来事があっても、それは『幸福の種』なのかもしれない。逆に幸せであっても、それにどっぷりと浸っているのではなく、また訪れるであろう不幸せに備えなければならない。しかし、これだけは言える。一日一日誠を尽くして生きていけば、必ず良い結果がついてくる。
今、私の元にはすばらしい財産がある。私を取り巻くスタッフである。その者たちを幸せにするため、私の残りの人生をかけよう。
「決して、人を裏切るな!」彼らに残したい言葉だ。