15歳アマチュアの勝みなみ、プロの大会で最年少優勝を達成!
またすごい選手が現れた。
15歳の高校1年生、勝みなみがプロの大会バンテリンレディスオープンで、2位に1打差をつけ、女子ツアー史上4人目のアマチュア優勝を果たした。
みなみという名は小学校教師の父親が、あの「タッチ」の朝倉みなみから取ったという。ゴルフを始めたきっかけは6歳の時、祖父がプレーするところについて行ってから。その頃は池のおたまじゃくしを取ったり、松ボックリを拾って遊んでいたという。祖父はゴルフについてそんな専門的なことは教えていない。グリップの握り方、ボールに対する向きなど基本的なことだけだ。あとは全て独学だというのだからすごい。
宮里藍は、父が高名なゴルフインストラクターで、小さいころからプロ選手になるため専門的に鍛えられてきた。兄弟もプロゴルファーでいわばサラブレッド。それに比べると彼女は駄馬と言えるかもしれない。しかし、宮里の優勝最年少記録をあっさりと塗り替えてしまった。
性格は負けず嫌い。トランプは勝つまでやり続けるという。小学校で逆上がりができなかった時、手の皮がむけるまで徹底してやり続けた。この姿勢が今の彼女を出現せしめた。
中学校の時は、バスケットボールの授業で手を骨折しているにもかかわらず、ギブスをして優勝をしたというエピソードもある。この春入学した高校も「ほかの分野の人とのコミュニケーションも大事だから」という理由で、あえてゴルフ部のない高校を選んだ。
最終日の前日は、知り合いの焼肉屋でたらふく食べて、ぐっすり眠り朝は6時に起床するはずが、22分寝坊。コースについていつもの通りの練習を終え、テイーグランドに立っても緊張はしなかった。しかもラウンドしながら歌をうたっている。曲はアイスクリームの歌。17番テイーでは、おにぎりを口に含んだまま、ドライバーを打った。それも230ヤードのナイスショット。彼女には緊張という言葉はないのだろうか。
小さい頃、人前に出ることを苦にしない性格。優勝のスピーチも「初日トップになったんで、『優勝しちゃうんじゃね』なんて冗談で話していました。まさか勝てるとは思ってみなかった」まさに天真爛漫。見ていて楽しいし、毛色の違う新しいスターの出現を感じさせた。
プロ大会で優勝すると、即プロ転向できる。しかし、彼女は高校卒業するまではアマチュアに徹するという。彼女の目標は、6年後の東京オリンピックに出場すること。
おごりなく、自分の信じた道をひたすら突き進んでいる彼女を温かく見つめながら、彼女の活躍に大いに期待したい。