あいさつ再考
岐阜県の鬼岩温泉に行った時のことである。雨の中でゴルフをし、疲れ切った体を引きずりながら、大浴場に向かおうとした時、「こんばんは」と中年の見知らぬ男の人から声をかけられた。
私も「こんばんは」と返し、「どこから来られたのですか」と問いかけると、「東京です」との返答。それから、浴場で旧友と話でもするかのように二人の会話は弾んだ。
「あいさつはコニュニケーションの第一歩」とみんなにも話してきた私だが、よく考えると、私の方から見知らぬ人に声かけをしたことはあるだろうか。ないに等しい。
あいさつは人がそこにいることの認識・同じ空間の共有であり、あいさつは心を開く行動につながる。
また、あいさつはその人の文化度や7つの人格を表わすと言われる。
性格・積極性・ワークマンシップ・自信と情熱・社交性・教養・心身の健康がそれで ある。
あいさつをされるとすがすがしい気分になる。私どもの塾では、単に「こんばんは」と声をかけるのではなく、笑顔で「‥‥君、こんばんは」と声掛けするようにしている。自分の名前が入ったあいさつで、それまであいさつをしなかった子どもも、自然に「こんばんは」と返すようになる。その子どもの声勢が大きくなればなるほど、我々とのコミュニケーションは深くなり、不思議とその子どもの成績も上がるようになる。
挨拶の語源は「一挨一拶(いちあいいちさつ」、禅の問答に由来したものだという。「挨」は心を開いて近づく、「拶」も迫る、近づくという意味があり、挨拶には「心を開いて近づく」という意味がある。
「こんにちは いわれたら うれしいな
いえたら もっと うれしいな」
「あいさつは 心をつなぐ まほうだね」
「ひろがるよ すてきな あいさつ すてきな 笑顔」
大垣市立興文小学校の生徒の作品である。
私は岐阜県で見知らぬ人から声かけられて、改めてあいさつについて考えさせられ、同じ岐阜県大垣市の小学生のあいさつに関する標語作品からあいさつのよさを改めて教えられた。