2016年12月29日
時代を憎めど、人を憎まず
慌ただしい年の瀬に実にうれしいニュースが入って来た。
安倍総理がハワイの真珠湾を訪れ、オバマ大統領とともにこの地を「日米の和解の象徴」にしたいと訴えた。
また、両首脳が真珠湾で生き延びた元アメリカ軍人に歩み寄り、握手をし、抱き合ったシーンは特に印象的だった。
安倍総理の演説を聞いた元米兵は、「歴史的な瞬間だった」とインタビューに応えるなど、好意的に受け止める声が多く聞かれた。
つらく悲しい時代を背負って、体験しているからこそ出た心からの声。
「誰が悪いというんじゃ、時代が悪かったんだだから、謝らなくてもいい。」
意味深い言葉だった。
戦争を知らない今の世代の人が謝罪をしても、ただ謝りに謝るだけだと思う。そんな中でできることは何だろう。その答えが元米兵のインタビューの中にあったような気がする。
過去の過ちは残るが、過去をいつまでも引きずらないで、これからの未来をしっかりと見据えなければならない。日米両国が成熟した関係であることが分かる象徴的な出来事であった。
近隣のある国は、さかんに謝罪を求めるが、謝るとか謝らないということは問題ではない。戦争の被害者は勝った国、負けた国問わずにいるのだから。
かつて、あれほどの激しい戦争をした国同士がここまでの関係を築けるなんて、なかなかできるものではない。
いつまでも負の遺産をお互いに背負って行くことはない.
今回のことが両国にとって今以上素晴らしい友好関係につながっていくと私は確信している。