2017年09月28日
魔法の言葉
先日、保護者の方から電話を頂いた。今日授業担当の講師へお礼の言葉を伝えたいとのことだっ
た。
何でも授業を受けた子どもさんが、嬉々として帰宅し、「今日の授業めっちゃようわかった。授業内
容忘れんうちに、今から図書館に行って勉強してくるわ」と出かけていったという。
この生徒、口数も少なく、あまり感情をあらわさないタイプの子だけに、子どものあまりの変貌ぶり
に大いに驚いた母親だった。
母親によればその講師が、宿題点検する前に「どこかわからなかったところなかった?」と声をかけてくれ、
「わからんとこどんどん質問しーよ。」
「わからんことは恥じゃないよ。わからんとこほっておいたら積み残しが増えるだけやん」
「だから遠慮せんとどんどん質問しいや」
その言葉が俄然子どもさんのやる気を促したと言う。われわれからすれば、子どもたちにいつも
発している言葉で特にお礼を言われほどの言葉ではない。しかし、その生徒にとって
はその言葉が自分を変える“魔法の言葉”だったのかもしれない。
私たちは子どもたちの心に響く“魔法の言葉”を発することで、子どもたちが動き始め、手
が届かないと思っていた大きな願望や夢に立ち向かおうとする。
“魔法の言葉”は日常の何気ない言葉の中にもあるのだということを知らされ、
言葉の持つ重さを知らされ、改めて大きな役割を担った仕事についているのだと思わされた一本
の電話だった。