うれしい知らせ
先日、うれしい知らせを受けた。元塾生でもあり、学生時代、わが塾の講師として勤しんでくれていた女性がひよっこり手みやげをもって塾に現れた。彼女は教員採用試験に合格したという吉報を持ってきてくれたのだが、なぜかもじもじしている。
その女性の手招きを受けて一人の男性が現れた。それを見てまたビックリ。彼もわが塾でのかっての講師であり、今は小学校の教員ををしている。二人は大安の日の今日入籍をすませたのだという。
この二人、かって講師であった時、熱心に塾生の指導にあたってくれ、とても人気があった。だから彼らこそ教員になるには最適の人物だと思っていたのだが、二人とも最初の教員採用試験には合格できなかった。だが、常勤講師をしながら二度目の採用試験で合格を勝ち取った。
この経験は、後々の教員生活で生きてくるのではないだろうか。人生はそうすんなりといくものではない。つまずきを経験したことにより、教員という仕事を見つめなおし、先生になるのだという気持ちはますます膨らんで、それが大きな肥やしになったに違いない。
子どもたちにも気落ちせずに頑張れば、結果は必ずついてくるということを身をもって伝えることができる。ある意味貴重な経験だったろう。特に女性は、特別支援の教職の資格をとるためわざわざ大学院まで進んだ。その熱い思いが通じたのだと思うとこれ以上の喜びはなかった。
今、学校は完全なブラック職場で、小学校教員の3人に1人が「過労死ライン」(月30時間の残業)を超える長時間労働を強いられている。その中に飛び込んでいる若いカップルに頑張れとエールを贈りたい。
私の家には彼女がバレンタインデーに手作りチョコにそえ、「いつもお世話になっています」と私にあてたメッセージが、かわいらしい女の子の絵とともに残されている。