2018年01月25日
ほほえましい光景
毎朝8時ごろ、住まいのマンションの玄関近く、高校に登校する女生徒と母親の姿を見ることがある。二人はまるで姉妹のように弾んだ声で話をしながら、母親は手をふって「いってらっしゃい」と娘を送り出し、娘が「行ってきます」とマンションをあとにする。
母親は娘が通りの角を回り後ろ姿が見えなくなるまでじっと見送っているのだ。なんともほほえましい光景じゃないか。
いつしか私はこの二人に朝会うことが楽しみになってきた。母親と娘さんの「おはようございます」ハキハキとしたあいさつを耳にするのも心地よい。何かこちらも朝から元気をいただいたようですがすがしい気持ちになる。この二人からはほのぼのとした家庭の様子が思い浮かばれる。
今、日本では「道しるべのない時代」「しらけの時代」を向かえている。マンションの住人であってもあいさつさえしない人もいる。「無機質な時代」と言えばそうかもしれないが、人と人とのつながりが希薄である。そのなかにあってこの親子にはいっぷくの安らぎを感じる。
私たちは自分の心を高めるために何をすればいいのだろう。とりあえず私は働こう。仕事に真正面から向き合い、一生懸命働くことで心を鍛えよう。
私は子どもたちに
心の備わっていないものに真の学力など身につくはずもない。
学ぶものにふさわしい心を磨こう。
と訴えてきた。その教えがだんだんと実を結び、すばらしい学習空間が形成され、すばらしい学習成果も出てきている。
でも、まだまだ。初老の体にムチうって『生涯現役』子どもたちの指導にかかわっていきたいと思っている。