ほっこり結婚会見
殺伐としたニュースが多い昨今、南海キャンデイーズの山ちゃんと蒼井優さんの結婚会見を見ていると自然と微笑んでほっこりしている自分がいた。このように本当の幸せというものは周りの人さえも笑いに巻き込み、幸せにするんだろう。
特にご両親の話をしている時の二人のタイミングはバッチリ。父親がテイク3までして結婚の申し込みに対応した下りは落語を思わせ、腹を抱えてしまった。
父親は3パターンの返事を用意していたという。2人は結婚を許された後に、別の2つのパターンを両親と演じた。
ひとつは山ちゃんが「娘さんを僕にください」と言うと、父が「どこの馬の骨かわからないヤツに、娘はやれん」というパターン。
もうひとつは蒼井優の父から「君にお父さんなんて言われる筋合いはない。手塩にかけて育てた娘をやれるわけないだろ」と殴られそうになり、蒼井の母が止めようとして、蒼井が「辞めて」と叫ぶパターン。
会場は笑いの渦につつまれた。
何ともユニークで父親の人としての深さと、山ちゃんへの信頼の深さを表している。
過去の交際遍歴から“魔性の女”とも呼ばれていた蒼井優さん。そのことに触れる質問をされると山ちゃんは「皆さんの目の前にいる蒼井さんと違う蒼井さんを僕は見せていただいると思うんで。本当に純粋で、楽しいときには笑って、美味しいもの食べてるときには本当ころころ笑って、泣きたいときはすごい泣くっていう。魔性って単語を使っているけど、僕はそんな人間じゃないっていうのを一緒にいてずっと見ていたんで。みなさんが思う魔性から発生する心配は一切ありません」ときっぱり断言。
山ちゃん“男気ある”なと感じさせる瞬間だった。
山ちゃんは人当りも良く、礼儀もしっかりしている共演者やスタッフにもうけもいい、いわゆる“いい人”だという。にもかかわらず、芸人として表向きは特徴的なメガネをしてブサイクキャラやを貫いてきたわけですが、メガネをかえるとスキットした理知的な顔に変わる。それを指摘する蒼井優さんも人を見る目があるなー。
今回の結婚で好感度が上がったことに加えて、ユーモアがあり、機知に飛んでいる。今後はこれまで以上にお笑い以外のジャンルの仕事が増えていくのではないだろうか。
山ちゃんは“ちょっとエッチな池上彰”を目指していると言っていたのを聞いたことがあるが、その日も近いのではないだろうか。そう思わせるほっこり結婚会見だった。