2021年05月11日

エクシード読書感想文コンクール第2席

            優秀作品賞    「あした死ぬかもよ」生き方を考える


「あした死ぬかもよ?」というこの本のタイトルを見たとき、少しこわそうだなと思ったけど、「かもよ」という言い方が読みやすそうで、表紙の絵がかわいかったので、興味を持ちました。それと、この本の紹介に、私と同じ十四歳の女の子が、「今を大切に生きようと思いました。」と言っていたのが書いてあったので、私も読んでみようともいました。


この本には、人は生まれたときから、いつ死ぬかわからない、明日死ぬかもわからない。死ぬときに後悔しないように、笑って死ぬためにはどうしたらいいか、ということがたくさん書いてありました。
私はまだ中学生だし、死ぬということはあまりわかりませんでした。でも、読みながら考えてみると、いつ病気になるかわからないし、いつ事故にあうかわからない。震災だっていつ起きるかわからないんだなと思いました。今も、感染症の病気が流行って、たくさんの人が感染して病気になったり、亡くなったりしています。どれも、自分にだって、いつ起こるかもしれないということを、改めて考えました。
この本には、人生最後の二十七の質問がありました。わからない質問もあったけど、質問に答えながら読んでいきました。例えば、「後悔なく生きる」の章には、「これだけは失いたくないベスト5は?」の質問がありました。私は、家族・愛犬、家、友だち、スマートフォン、いとこと答えると、次のページに、「はい。あなたは死ぬ日にそれらをすべて失います。」と書いてありました。嫌だな。と思いました。悲しくなりました。


「ドリーム(夢)を生きる」の章には、「いつかやる。あなたのいつかはいつですか?」という質問があって、私もよく、「いつかやる」とか、「あとでやる」を使います。でも、もうその「いつか」がなかったら…と思ったら、今やらないとできないままになってしまうんだなと思いました。


「ミッション(志)を生きる」の章には、「おじいちゃん、おばあちゃんの名前をちゃんと言えますか?」という質問でした。私は祖父母も曽祖父母の名前も言えますが、これが志とどうつながるのかと思いました。私の命の前には、父母の命があり、その父母にもそれぞれ父母がいて、九代さかのぼるだけで私には先祖が1022人もいるそうです。私が生まれるまで、その人たちの命のバトンが奇跡のリレーによって、今私はここにいるということが分かりました。その命を大事にしないといけないし、恥ずかしくない生き方をしないといけないと思いました。
もし、もうすぐ死んでしまうかも知れなかったら、私はどうするだろう。本を読み始めた時は、好きなアーティストのファンクラブに入りたい。ライブに行きたい。友だちと遊びたい。旅行に行きたい。など、楽しい事ばかり思い付きました。死ぬなら、勉強なんかしないで、遊んで過ごしたいと思いました。確かにこれは今やりたいことですが、本を読んでいて、そういうことだけではないということが分かりました。もうすぐ最後と思ったとき、その日、その時間の生き方、過ごし方のことでした。


例えば、人との接し方です。特にいつも一緒にいる家族に、「ありがとう」など感謝の気持ちや、「ごめんなさい」など、自分が悪かった時の言葉を言い残していないか。反対に、今大事な家族を失うようなことがあったとき、こうしていれば良かったと、後悔することはないかと考えることでした。そして、今のままの生き方、生活の仕方で良いのかと考えることでした。


本の中に、「成功する人は努力する。成功しない人は努力しない。」「努力する人間には志がある。しない人間には志がない。」という言葉がありました。私は努力をしているか、志を持てているか。私はまだ将来の夢とか、大きな志は持てていないけれど、今私は受験生なので、まずはそこを目標に、志望校に合格するように頑張りたい。合格したら、やりたかったお楽しみを全部する!など、頑張れる理由を作って、後悔のないように頑張ろう。今できることをしないといけないと思いました。


他に心に残ったのは、「やれる可能性があるやつが努力しないのを見ると、胸倉つかんで俺と変われと言いたくなる」という二十三歳で白血病で亡くなった人が生前に残した言葉です。今、私は元気で生きています。まだまだもっと努力もできるし頑張れます。今は高校受験に向けて、一日一日を大切にして、コツコツと勉強し、あきらめずに前に進みたいともいました。


この本を読んで、今生きていて何となく過ごしているこの時間が当たり前ではない。いつ何が起こるかわからない人生、今生きていることを誇りに思って、感謝の気持ちを忘れず、悔いのないように今を大切に生きようと思いました。